過剰な蔵書と不足する読書量

もう全然読書量の少ない賢者でもなんでもない一介の大学生です。こんばんわ。先月読んだ本を数えたら7冊で、とても残念に思いました。今月もまだ2冊です。新書なんか読みまくってた反動で小説読むのが遅い遅い。

浄土

浄土

これは面白い!町田康現代日本文学を代表する、しかし現代文の題材になるとは思えない小説を書く人間ですが、短編を書かせるとその悪ふざけがより純化した形で現れてもう爆笑爆笑爆笑。とにかく面白い。たとえば「どぶさらえ」は疎外された人間の心境を実に見事に描きだした傑作ですが、しかし作品中はとにかく「ビバ! カッパ!」という文言が連呼されて爆笑。もう天才。文章うますぎ。

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

夏への扉 (ハヤカワ文庫 SF (345))

おお、これも面白い! とは言っても町田康とは全然毛色が違っていて、この小説は物語がとても巧みで、主人公のキャラクターがまた素敵。技術屋の主人公が便利な家庭用ロボットを開発して儲けるんだけど、周囲の人々に裏切られて……というストーリーに、冷凍睡眠装置というSF的要素が加わって、最終的に非常に美しい収束を見せる。出だしもまったくもってすばらしく、なんちゅうか50年も前にこんなに現代的で面白い小説が書かれてたなんて凄いね、という他ございません。


今日は『あなたに不利な証拠として (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)』と『麗しのシャーロットに捧ぐ―ヴァーテックテイルズ (富士見ミステリー文庫)』と『アカギ』の総集編みたいなのを買って帰りました。一体お前は何者だ、史上最低地獄に落ちろ。
いや地獄に落ちなくても。