賢押杯2009、後編

そうそう、他の方のblogやmixi日記やらを拝見していて思い出したのですが、ペーパーの近似値クイズ。「トキポナ」という人工言語で使われる総単語数を答えさせる問題だったのですが、「ちょっとした英和辞典とかに10万語くらい載ってたりするけど、わざわざ人工的に作ってるんだからそこまで語数は多くないはず」と考えて「1万語」と書きました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%9D%E3%83%8A


どーりで同点の中で一番下なはずだよ!



準決勝 7○3×

ここに帰ってくることが出来ました。あれよあれよという間に駆け上がった昨年と違って、今年は一歩ずつ進んでいけただけに感慨も強く。自分の力でも勝負が出来る、という自信が少しだけ持てました。

さて、準決勝の組み合わせは、「出場者が決める」スタイル。入場順は抽選で決め、ステージの前まで行って第1試合を選ぶか第2試合を選ぶか決めることが出来ます。くじ引きの結果、番号は6番。去年は1番で選択権がなかったのですが、これならそれなりに考えて決めることが出来ます。


お相手はたょねりさん、らべりーにょさん、蒼崎サードさん、四方山坂?!さん、ぱわーほーるさん、ベルゲンさん、小祝さん。入場順はちゃんと覚えてはいないのですが、僕の後ろはベルゲンさん→小祝さんでした。

個人的に特に避けたいと思ったのは準々決勝で力を見せつけられたサードさん、四方山坂さんと去年の準決勝で勝ち抜けはならなかったものの自分より格段に強く、かつ文学問題を取らせてくれないらべりーにょさん。四方山坂さんは大会中ずっとマスクを被っておられ、いろんな方からかなりいじられていたので有名な方のようなのですが、僕はその時点で正体を存じ上げなかったのでとにかく当たりたくない、と思っていました。

さて、僕が入場する時点で、既にステージで1試合を待っているのがたょねりさん、蒼崎サードさんのお2人。舞台下で出番を待っているのがらべりーにょさん、四方山坂さん、ぱわーほーるさんのお3方。すぐに舞台に立つのは辛かったので出来れば2試合目が良かったのですが、たょねりさんには部屋別で先着できたこともあり、1試合目を選択することにしました。

その後ベルゲンさんは第2試合を選択、第1試合はたょねりさん、蒼崎サードさん、小祝さんとの対戦に。
解説席にカムカムさんがいらっしゃっていじってくれたのでちょっと落ち着きました。

ルールはシンプルな7○3×。特にこれといって戦術も思いつかなかったので、取れる問題がたくさん来てくれることを祈るほかなく。1問でも多く、粘れる限り粘りたいところ。

あっという間に始まるクイズ。
1問目。


「2008年のアカデミー賞受賞作『スラムドッグ$ミリオネア』の原作……/」


手が反応する。もしかしたら作者のほうを聞かれている可能性もあるけど、そもそも作者が思い出せない。少し考えて、「『僕と1ルピーの神様』」。


正解。


これでだいぶ、心に余裕が出来ました。得意分野なら戦える。


その後は自分が先行し、AnAn勢に追われるという展開に。×をつけるとそこから一気に崩れてしまう気がしたので、無理はせず、それでも取れるものは勢い良く。自分以外には×がついてくれて、戦いやすい流れになってくれました。やっぱり何答えたかいまいち思い出せない*1のが申し訳ないのですが、いつのまにか6○まで。最初にリーチをかけることが出来ました。この時点で次に点数が高かったのは多分小祝さんの4pts。

あと1問で決勝。


たぶん、こんなチャンスはもう二度と来ない。ここで勝たなきゃいつ勝つんだ。


しかしここから純粋に分からない問題や、「ジャック・マイヨール」とか答えが浮かんでいても確信が持てないうちに取られてしまう問題が続きました。そのうちに小祝さんが「ジャガーノート」を取って5○に。
良く考えてみれば、×がついていないのは自分だけですし、1つくらいついても即致命傷になるわけではありません。とりあえず1回、少し無理をしても押してみる価値はあるはず。そう気持ちを切り替えてみました。


「CPUで、1つのコアを搭載しているものはシングルコア、2つのコアを搭載しているものはデュアルコアですが/」


少し強引ですが、先まで聞いて押し負けるとつらい。ここでボタンを押して、一息ついて。「クアッドコア」。

たぶん一瞬なのですが、こちらには凄く長く感じられる間があって、正解の効果音が聞こえました。



信じられないけれど、決勝進出です。



幕間

さて、心の底から喜びをかみ締めつつ、しかし決勝に不安を抱えつつ、舞台を降りてすぐのところでこれからの段取りの説明を受けながら、準決勝第2試合を観戦していました。ここの勝者と一騎打ちになるわけで、自分でどのくらい戦えるのかを知るためにも、じっくり展開を見させていただきました。

皆さん書いていらっしゃいますが、ここはらべりーにょさんのワンサイドゲームでした。第2試合の方が問題が難しかった気がするのですが、その難問を意味の分からないところで押して意味の分からない単語を仰って正解してゆき、全く危なげなく勝ち抜けを決められました。
特に印象に残っているのが、まだ選考会場しか読まれていないのに「ゴンクール賞」を取っていかれたことと、「葬儀の費用がなく崩御後40日間遺体が放置されたことでも知られる第103代天皇/」(後土御門天皇)で勝ち抜けを決められたこと。こちらの生命線とも言える文学問題がこれでは取れません。そして僕がちっともわからない歴史の難問は速攻で取られてしまうという。

ひとりで無理ゲー無理ゲー言ってました。


何より問題だったのは、決勝は「1対1」であることです。誰も一緒に負けてくれない。観客の方々が期待するようないい試合は、たぶん見せられない。申し訳ない。そんな思いばかりが先行しており、開戦前から「いかにして勝負を成立させるか」ばかり考えていました。


準決勝終了後、セコンドを3名連れてくるように言われたのでとりあえず軍団席を探したところXANAXさんがいらっしゃったのでこれは適任! ということでお願いしたところ快諾を頂き、すぐにその近くにいたきろぴょんさんとまよさん(当日の登録ネームだとAnAnプレイヤーの青河真琴さん)が来て下さると仰ってくれたのですぐに決定。何でおれ呼ばなかったんだよてめーと思っている方ごめんなさい。。

それほど時間の余裕も無く、ペーパー上位の発表後に舞台裏に移動しました。色々演出とか考えたほうがいいのでしょうけれど頭が回りそうに無かったのでお3方にお任せしました。ペットボトルの水を貰ってちょっと楽に。僕はたぶんネガティブなことばかり口走っていたはずですが、XANAXさんが全く聞く耳を持ってくれなかったこと(笑)と、まよさんが「あとひとつでてっぺんだよ」と言ってくれたのが印象に残っています。



遠いところまで来てしまった。



決勝 10ポイント先取早押しクイズ

赤コーナー取ろうとしたらじゃんけんで負けたんで青コーナーで先入場。直前にセコンドのお3方と拳をつき合わせたのですが、きろぴょんさんとやろうとしたら何と空振りw カッコ悪いw

続いてらべりーにょさんが入場。僕は先に席についています。


照明でほとんど見えないのですけれど、観客席を見まわすと、物凄い人数がこちらを見ていて。300人以上いて、ここまで来られたのはらべりーにょさんと、僕だけ。
部屋から通して、とんでもない数の方々と勝負をさせて頂いて、その結果、ここにいる、ということを改めて実感。

インタビューでは本当に自信が無かったので弱気なことを言っていたと思いますが、でも、「賢押杯2009、優勝するのは誰ですか?」と聞かれて、何も考える前に口をついて出てきた言葉は、



「僕です」



内心うわ言っちゃったよとか思いつつ、でも拍手を受けながら、やれることをやるしかない、というごく当たり前のことを、もう一度思い返すことができました。
実力では明らかに負けている分、こちらは守備範囲の問題をなるべく確保して、一歩早くボタンを点けるしかありません。



そして。

始まってしまいました。



1問目は難問でお互いスルー。2問目は、「漫画『医龍』では監修を務め、『チーム・バチスタの栄光』/」。とにかく早く。ここでボタンを押してから、しかし医龍海堂尊とか聞いたこと無いけど大丈夫かと思いつつ「海堂尊」と言ってみたら須磨久善。ホビーじゃなくて理スロでしたw

何と勝手に−1になってしまいました。大丈夫か君。
それから「藤壺」を問題文全部聞いてから恐る恐る取って0に戻し、そこから『悩む力』で「姜尚中」とか、「ヴィクトリカ」まで聞いて「『GOSICK』」とか、「『それゆけ! 宇宙戦艦ヤマモト・ヨーコ』」とか「中禅寺秋彦」とか自信を持って取れる守備範囲の問題がコンスタントに来てくれて、離されること無く点を積んでいくことが出来ました。1問取るごとにセコンドの方から声が聞こえたのも心強かったです。
問題の難易度も準決勝より下がっていて、「オノマトペ」とかこの流れだと簡単すぎるんじゃないかと不安でしたが何とか答えられました。こういうので押し勝てない限り勝ち目ないですしね。
確かいったん7-5で2pts離されたのですがそれも返してイーブンに戻し、8−8まで行ってさらにもう1問取り、リーチをかけることに成功。ここでらべりーにょさんがタイムアウトを取って、60秒の小休止。


予想だにしなかった展開ではありましたが、何とこちらが先に9ptsまで辿りつきました。とにかくまず水を貰い小休止。ガストでご飯おごってくれって言ったらガストバーガーおごってやると言ってくれました。いやガストバーガーは好きなんですけど!
ここでよく覚えているのはきろぴょんさんが「お前凄いよ」と言ってくれたことです。

これは行ける、かも。


タイムアウトを終えて出たのは、「フジテレビのCS放送が何とか」という問題。よく分からなかったものの、「フジテレビワン」「フジテレビーツー」とあと何? と聞かれているのは分かったので、頭に浮かんだものを答えてみよう! ということでボタンを押して「フジテレビ731」とか言ってみたものの既にそんなものは無いらしい。あちゃー。これで8−8に逆戻り。

あーここまでかな、みんなに惜しかったって言ってもらえるかなーとかまたネガティブ思考になりつつあるところに、「山階鳥類研究所」でらべりーにょさんがリーチ。何じゃそれは。
ここでこちらのタイムアウトを行使。

先ほどのイケイケムードに較べてちょっと沈んではいましたが、ここでまたちょっと落ち着きました。
さっきも2ポイント連取できたわけで、ここからの逆転も不可能ではない。流れさえ来れば返せるかもしれない。


最後の休息を終えて再びボタンに手をかけて。集中力は切れてませんでした。

そして問題。全く訳の分からないエピソードで困ってしまいましたが、途中でなんとなく当たりをつけて「シートン」まで聞いて(「狼」まで聞いたかも)「ロボ」。9−9に戻しました。おお。

あとひとつ。あとひとつ取れれば勝てる。


次の問題は全く意味の分からない和菓子屋を答えさせる問題(QMAには出るらしいですね)でどうしようも無いので祈る気持ちでスルー。らべりーにょさんのランプも点かず。助かった。


そして。

「その名前には、殺伐とした世界でも笑顔でいられるようにとの意味が込められている、2002年まで活動をしていた高木郁乃吉田ゐさおの2人による音楽ユニットで、代表曲に『おなじ星』『翔べ!イカロス』などがあるのは何?」


おなじほし……おなじ星……連想の最終ヒント……必ず見たことある問題のはず……笑顔……!!

全速力でボタンを押す。点く。



Jungle Smile



そう言うと、ほとんど間をおかず拍手が起きました。





一応、続きます。

*1:「スフィア」を取ったのだけは覚えていますが、「押すポイントが遅すぎる」と後でいろんな方からお叱りを受けましたw